同人徒然

同人でのモヤモヤが募った時に「王様の耳はロバの耳」的な徒然を吐き出しています


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寄らば大樹の大手様
だいぶ前のことである。相方と私は、某ジャンルの大手様と合同誌を発行した。
願ってもない好機に恵まれたのは、私達の秘められた実力を大手様が認めてくださった……からではむろんなく、同人とはまるで関係ない理由だ。

1.年齢層の低いジャンルにあって、私達と大手様は三十路の同年代だった。
2.相方と大手様の、同人以外の趣味がいくつか一致した。

……ただこれだけ(笑)
まあそれだけのことがきっかけで、イベントで初めてお話をさせていただいた時から大手様とお近づきになれた私達。
合同誌の話は大手様のほうからだ。私達からお誘いするなど、畏れ多くてそもそもありえない。
彼女はこのジャンルからの撤退を決めていたのだが、最後に私達と本を出したいから、とまで言ってくれた。
この大手様は商業アンソロにも執筆していたり、コミケでは必ず列ができるような、私達にとっては神絵師である。そんな方からの、最初で最後のお誘いを、よもやお断りすることなどあるだろうか。いや、ない……!(反語)

彼女はハタチ前から同人活動をしていたらしく、そのぶん人間関係での辛酸も散々味わったらしく、そのジャンルではほとんど友人を作らずにいたそうだ。確かに、彼女のサイトにはオフ情報といくつかのイラストが公開されているだけで、リンクやブクマの類はおろか、日記すら置いていなかった。
先述したように年齢層(購買年齢)の低いジャンルだったので、単純に付き合いにくかったのもあるだろう。
後になって彼女から聞いた話では、明らかに擦り寄りめあての態度を取ってくる人もいたそうだ。(彼女は「擦り寄り」という言い方はしていなかったが)

「人間不信」と言ってしまってもよいほど、周囲を警戒していた大手様。
そんな彼女の心境も事情も知らず、ただただ貴女の作品に惚れました、と初めてイベントでお会い した時に私と相方は突撃して行ったわけだが、それがかえって新鮮だったようである。(笑)
ともあれ、オフなら百戦錬磨の相方を窓口に、大手様との合同誌の話はトントン拍子に進んだ。
絵師の大手様と相方は漫画、私は小説。某日のカプオンリーに合わせた合同誌は、表紙絵に大手様を据え、(私達の気分が)華々しく発行されたのだった。

…が、しかし。
イベント当日に搬入されたダンボールの数を見て私は愕然とした。ナノピコサークルの私達がビビるぐらいの発行部数。
ちょ、その在庫は一生どころか来世の分までありますか。桁間違ってませんか。
私の要らん心配を余所に、長い列をなす壁際の大手様スペでは(彼女の個人誌とともに)その合同誌も順調に売れてゆく。
途中大手様スペの売り子を手伝った相方の話では、同人誌の通販業者が彼女に挨拶に来ていたらしい。
結局残った分はその業者(ほか数社)に委託することになった。大手様だと通販業務もさぞ忙しかろう、などと思っていたが、世の中にはそれを請け負うプロがいるのだ。ナノピコゆえ知らなかった、大手様クオリティ。

この合同誌、次々と売れていったのは明らかに大手様の表紙絵とネームバリューによるものだろうに、彼女は売り上げをきっちり半分にしてくれた。
文字通り束になった千円札が相方の手に渡される。編集・装丁・入稿までを担当した相方には相応のマージンかもしれないが、ただ原稿を書いただけの私はひたすら恐れ入ったのだ……。

そうしてイベント後は通販サイトで扱ってもらうようになった合同誌。大手様のおこぼれとは言え、自分達の本がアソコやソコで売られているなんて、なんだかくすぐったい! まるで自分達も大手様気分!
……と大いなる勘違いをしつつ初めは浮かれていたが、日が経つにつれ小心者の私はまたしても不安になってきた。
いくら大手様を擁しているとはいえ、どっかの馬の骨サークルとの合同誌である。オンリーイベントと違ってネット通販だから、買うほうもじっくり吟味するのではないだろうか。そのための時間も理性(笑)もあるはずだ。
だがそこは、やはり大手様クオリティ。 私なんぞの不安も余所に、合同誌はほどなく完売したのである……! す、すげぇ。来世の分まであると思われたあれだけの在庫が完売!
後になって相方から聞いたのだが、この同人誌通販にはどの店でも(?)審査があるとか。見本誌を送って審査に通れば、通販を請け負ってもらえるシステムだ。大手様との合同誌が通販してもらえたのはつまり、この審査に通ったことになる。
そして大いなる勘違い(笑)をした相方は、ほぼ同時期に発行した私との合同誌(別ジャンル)も送ってみたらしい。二人ともかなり頑張ったし、だからちょっとは自信のある本だったのであわよくば審査に通るかと思ったそうだが、案の定結果はボツ。……だろうさ(笑)

ここでぶっちゃけた話、今回の大手様との合同誌で彼女(=大手様)が描いた作品はイマイチだった。
ジャンル撤退の最後の作品なのにと言うか、それゆえか、これまでの彼女のどの作品よりもストーリー作りが安直に思えた。実際、ページ数も彼女にしてはいつもより少ない。(絵そのものはもちろん神だが)
実は彼女は私達との合同誌より少し前に、新ジャンルでの初めての本を出しており、それを私も差し入れがわりにいただいた。そちらは私と相方がこよなく愛した、神絵師の彼女の作品そのものだった。私達は知らないジャンルだが、タイトルからもストーリーからもあとがきからも「ああ、このカプが本当に好きなんだなあ」とヒシヒシと感じ取れるものがその本にはあった。
なのに私達との合同誌、それに載っている大手様の作品からは、正直そういったものが感じられなかったのだ。
「大手様との合同誌だヒャッホイ」と気合を入れていた私達に対して、彼女はそこまでのパッションはなかったのかもしれない、と私は後になって思った。編集その他を請け負ってくれた相方には決して言えないが。

今までよりテンション低めの(ように思える)大手様の作品。
どっかのナノピコとの合同誌。
不安要素が二つもあってなお、通販サイトの審査に通った本である。途方もない数の在庫が短期間に完売してしまったのも、大手様クオリティのおかげなのだ。
私も相方も、擦り寄りなどという行為が無駄なことは知っている。そもそも自分達は、大手様に擦り寄って相手にしてもらえるレベルじゃないのも重々承知している。だけど今回の件で感じてしまったのだ。
なんか……大手様と一緒だとオイシイんじゃね?(笑)

私達は、大手様に擦り寄る人・擦り寄りたがる人の心理が少しわかってしまったのだった。


以下はメルフォレスです。コメントなしのパチパチもありがとうございました!!


・夜沙様
逃避からの逃避で、逆に現実に舞い戻る……確かにそれありますね!(爆)
原稿やサイトに関係ない吐き出しブログを更新するのも、一種の逃避なのでしょう(笑)
こちらこそ、コメントいただけて嬉しかったです。ありがとうございました!

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